日本で初めての“JPYC”が公開!
― 中学生でもわかる「お金の新しいカタチ」入門 ―
こんにちは。ファイナンシャルプランナーの「くまさん」こと福井秀延です。
今日は、日本ではじめて登場した「JPYC(ジェーピーワイシー)」というコインについて、できるだけわかりやすくお話しします。
「コイン?」「仮想通貨?」「ビットコインの仲間?」
なんとなく聞いたことはあるけれど、正直よくわからない……。
そんな人こそ、この記事を最後まで読んでみてください。
お金の未来が、ちょっとだけワクワクして見えてくるはずです。
「お金」ってなんだろう?
まず、そもそも「お金」ってなんでしょう?
あなたがコンビニでジュースを買うとき、レジに100円玉を出しますね。
相手はその100円玉を受け取って、「ありがとう」と言ってジュースを渡してくれます。
でも、よく考えるとその100円玉はただの金属のかたまり。
「これでジュース1本分の価値がある」と、みんなが信じているからこそ成り立っています。
つまり、お金とは――
「価値を交換するための信頼の道具」
なんです。
この信頼が国によって支えられているのが「円(JPY)」であり、
その円をデジタルの世界で表現したものが、これから紹介する「JPYC」なのです。
「デジタルマネー」と「暗号資産」のちがい
ここで少し整理しておきましょう。
あなたはスマホで「PayPay」や「Suica」などを使ったことがありますか?
それらは「キャッシュレス決済」と呼ばれます。
でも、PayPayの残高は日本円です。
1円=1円。いつでも銀行口座に戻せます。
では、「暗号資産(仮想通貨)」とは何がちがうのでしょう?
| 種類 | 例 | 発行者 | 価格の動き | 使える場所 |
|---|---|---|---|---|
| 電子マネー | PayPay, Suica | 会社(民間) | 変わらない(1円=1円) | 日本国内中心 |
| 暗号資産 | ビットコイン, イーサリアム | 誰でも(分散) | 上がったり下がったり | 世界中で利用可 |
| ステーブルコイン | JPYCなど | 特定の企業 | 円やドルと同じ価値に固定 | 世界で利用可 |
この「ステーブルコイン」と呼ばれる新しいタイプのコインの中で、
日本円と同じ価値を持つように設計されたものがJPYCなんです。
JPYC(ジェーピーワイシー)ってなに?

JPYCは、「1JPYC = 1円」という価値を持つ日本生まれのデジタルコイン。
つまり、「デジタルの100円玉」みたいなものです。
JPYC株式会社という会社が発行していて、
ブロックチェーンという仕組みの上で動いています。
ブロックチェーンとは、たとえるなら「だれでも見られる取引帳」。
そこには「だれが、だれに、いくら送ったか」が記録されています。
しかも、一度書かれたデータは消したり書き換えたりできません。
だから、とても安全で透明性が高いんです。
JPYCのいちばんの特徴:「円と同じ価値」
ビットコインやイーサリアムは価格が日々変わります。
昨日1ビットコインが800万円だったのに、今日は700万円かもしれません。
でもJPYCは違います。
1JPYC = 1円でずっと変わりません。
なぜなら、JPYCを発行する会社が、発行した分だけ日本円を準備しているからです。
つまり「預けたお金の分だけ、同じ量のJPYCを発行する」仕組みになっています。
これを金融の言葉で「ステーブル(安定した)コイン」と呼ぶのです。
JPYCはどうやって使うの?
ここが気になりますよね。
実は、JPYCは銀行口座がなくても使えるデジタル円なんです。
使い方の流れを簡単に説明します。
- JPYCを買う
JPYCの公式サイトから、日本円を振り込むと、同じ額のJPYCをもらえます。
たとえば1,000円振り込むと、1,000 JPYCがあなたのウォレットに届きます。 - ウォレットに入れておく
「ウォレット」とは、デジタルのお財布のこと。
スマホアプリなどで簡単に作ることができます。 - 送る・使う
JPYCを持っていれば、
・友達にLINE感覚で送金したり
・ネットショップで商品を買ったり
・ブロックチェーン上のアプリで使ったり
ができます。 - 円に戻す
必要になれば、JPYCを日本円に戻すこともできます。
「ブロックチェーン」ってこわくないの?
ちょっと難しく感じるかもしれませんが、心配いりません。
ブロックチェーンとは、みんなで取引を見張るノートのようなもの。
たとえばクラスでおこづかい帳をみんなで共有して、
「○○が100円を△△に送った」と書いたら全員のノートに同じ記録が残る。
だから、ズルをしようとしてもすぐにバレるんです。
銀行のように「ひとつの会社だけが記録を管理する」仕組みではなく、
世界中のコンピューターがみんなで監視している。
これが、ブロックチェーンのすごさです。

JPYCのいいところ
JPYCには、いくつかのすばらしい特徴があります。
✅ 手数料が安い
銀行でお金を送るとき、振込手数料がかかりますよね。
JPYCなら、ほぼ無料で送金できます。
✅ 早い
海外送金も数秒で完了。
従来の「3日かかる」「手数料3,000円」なんてことがなくなります。
✅ 誰でも使える
銀行口座がなくてもOK。
ネットとスマホがあれば、世界中どこでも使えます。
✅ 価値が安定している
ビットコインのように価格が上がったり下がったりしません。
1円はずっと1円。だから、安心して使えます。
注意するポイントもあるよ
もちろん、いいことばかりではありません。
新しい仕組みだからこそ、気をつけたいこともあります。
- パスワードを忘れると使えなくなる
ウォレットの秘密鍵(パスワード)をなくすと、JPYCも失います。
紙に書いて安全な場所に保管しましょう。 - 詐欺に注意!
「JPYCを送ったら2倍にして返す」などの誘いは100%ウソ。
絶対に信じてはいけません。 - 値動きのない投資
JPYCは価格が変わらないので、値上がり益はありません。
“貯める”“送る”“使う”ためのコインと考えましょう。
「ブロックチェーン社会」がもたらす未来
少し未来の話をしましょう。
たとえばあなたが高校生になったとき、
・アルバイト代がJPYCでもらえる
・友達と割り勘するのもJPYC
・海外のゲームで課金するのもJPYC
そんな時代がすぐそこまで来ています。
しかも、JPYCはプログラムと組み合わせて使えるので、
「お金を自動で送る」「条件を満たしたら支払う」など、
“スマートマネー” としての使い方も可能になります。
たとえば──
オンライン塾の先生に「授業が終わったら自動で支払い」
そんなことが、スマートコントラクトという仕組みで簡単にできるんです。
JPYCがめざす「境界のないお金」
JPYCのコンセプトはとてもシンプルです。
「誰でも、どこでも、自由に日本円を使える世界をつくる」
いま、世界の多くの国では「自国の通貨」がインターネットの世界では使いづらいという課題があります。
でもJPYCのようなステーブルコインがあれば、
国境を越えて「円のまま」買い物や送金ができるようになります。
日本のお金が、世界のどこでも使えるようになる。
それはまさに、お金のインターネット化なんです。
まとめ:JPYCが教えてくれる「お金の本質」
JPYCの登場は、ただの新しいコインの話ではありません。
「お金とは何か?」をもう一度考えさせてくれるきっかけでもあります。
お金の本質は「信頼」です。
誰かが価値を信じる限り、それはお金として機能します。
ブロックチェーンという仕組みは、
その「信頼」を人や国に頼らず、テクノロジーで支えることを可能にしました。
最後に:中学生のみなさんへ
これからの時代、お金は“モノ”ではなく“データ”になります。
でも、データだからこそ、使い方を知り、正しく選ぶことが大切です。
JPYCは、日本で生まれた新しい挑戦。
あなたが大人になるころには、きっと当たり前に使われているかもしれません。
だからこそ、今のうちに「なぜ生まれたのか」「何が変わるのか」を知っておくと、
将来きっと役に立ちます。
お金の世界は、むずかしそうでいて、実はとても面白い。
「価値」と「信頼」の仕組みを理解することは、
あなたの人生を豊かにする第一歩になるはずです。
この記事のまとめ
- JPYCは「1円=1JPYC」の日本発ステーブルコイン
- ブロックチェーン上で安全・早い・安い送金ができる
- 銀行口座がなくても使える
- 値動きがないため、安心して日常で使える
- 「お金の未来」を考えるきっかけになる
💬 ファイナンシャルプランナーより
「お金を理解することは、自分の人生をデザインすること。
これからの社会で、JPYCのような“デジタル円”を正しく使いこなせる人こそ、本当の意味で賢い消費者になるのです。」